修羅の獄界 転生篇

第三章 理想のため /不知火の鼓動

眼下に煌々と篝火を炊く那古野城が見える。


信長暗殺に失敗した不知火は那古野城の北にある小高い丘の上にある林の中にいた。


「まさか俺が仕損じるとはな……」


相手はたかが元服をすませて少しの年しか重ねてない小娘と見くびっていたのか?


それはない。


だが、予想外だったのは事実だった。


今回の襲撃はどこで失敗したのか?


相手方が戦の準備をしていると情報が入ったのは二三日前だった。


今川からきた忍者を仕切る安藤十郎はすぐさま思案した。


罠という考えもあったが、本当に信長が戦をしかけてきてはまずい。


それに那古野城の簡単な図面も手に入れていた。


罠の危険と戦の危険を天秤にかけて、安藤は襲撃を決断した。


指示が下されたあとは風のような速さだった。



0
  • しおりをはさむ
  • 220
  • 66
/ 316ページ
このページを編集する