修羅の獄界

第一章 死と誕生 /弱き者を守るために……

まだ頭が整理できていない。


ここはどこで、私はなぜいるんだろう?


そのとき離れた場所から怒号と悲鳴が響いてきた。


「おいで!行くよ!」


ここにいたら危ないと思った私は女の子の手を引いて走り出した。


「若様!馬は!」


「はあ?馬?なに言ってんのさ!」


こんなときに、わけわかんないこと言うなよ。


遠くの藁葺き屋根からは煙がいくつも昇っている。


焦げた臭いがする中、助けを探して走る私の目に地獄のような光景が飛び込んできた。



侍?武士?とにかく教科書だかテレビで見た記憶がある、鎧姿に刀や槍を手にした奴らが無抵抗な逃げ惑う人々を殺戮している。



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