修羅の獄界 転生篇

第五章 別れと未来 /知らなかったこと

翌日になり信行と共侍の遺体を末森城に送り届けた。


最愛の信行を失った土田御前は信行の遺体を見てから半日狂乱の態だったが、その後はまるで毒気が抜けたようになり静かになった。


なんという愚かな男だろう。


信行を煽り、家老の背中を押して内紛を巻き起こしたこの男は最後に我が子を殺されるという地獄に落ちたのだ。


信行の遺児には罪を問うことなく、勝家が養育することと決め、これで母信秀の織田弾正忠家はようやく信長の下に一つになった。


私が信行の遺児を見たのはそのときが初めてだったけど、まだ三歳だった。


この子の母親を殺したのかと思うとなんともいえない気持ちになった。



例えどんな理想があろうとも……




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