敢えて言葉にするならば[完]

唇が熱いのはどちら?




どくん、どくん。


この音が部屋中に響いてるんじゃないかと思う程大きく跳ねる。



声は出ず、出るのは熱い息だけ。


やめろ。
止まれ。


キッチンに行くのを止めようとして西杉の服を握っていた手が、落ちた。



パシリと落ちる手を途中で掴まれる。



そして持ち上げられ、

手の甲に西杉の顔が近付いていき。






「俺、天の邪鬼だから見るなって言われると見たくなるんだよね」


ちゅっと水音が鳴った。



熱い、どうしようもなく。


熱いのは、私の手か、それともこいつの唇―――・・・




「・・・うわぁ!!?」


手の甲に当たっている『それ』が、唇だと認識した瞬間、頭を鈍器で殴られたような感覚になった。



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