敢えて言葉にするならば[完]

伝えたかった言葉




「話って、何だ?」


誰もいない会議室の窓から外を眺めていると、後ろからドアが開いた音がした。


声が聞こえ、体を反転させる。



「呼び出してすいません。森谷さん」


私が呼んだのは、森谷さん。


森谷さんは私を見て僅かに微笑む。

それがあの時みたいな寂しさを含めてなくて、少し安堵した。



「いや、構わないよ。日向さんにとって大切な話なんだろう?」


じゃなきゃ、呼び出したりしないだろう。と森谷さんは続ける。




昨日。
西杉の所へ走り出したあの時。

優しいこの人の手を、振り払ったこと。


何を言えばいいのかはまだ分からないままだけど、でももう一度話すべきだと思った。


そして昼休みの今に至る。



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