敢えて言葉にするならば[完]

敢えて言葉にするならば




雪が溶けたら肌に当たっても痛くない風が、春を告げる。




「さーちっ」

「由希!」


咲きかけの桜を見つめていると、待ち合わせ場所に由希が向かってくる。


きら、と由希の薬指が光った。



「ほんと良かったね」

「えへへ、ありがとーう。ま、こうなるのは当然だったけど!」

「へえ、クリスマスに泣きついてきたのは誰だったっけなぁ?」

「・・・うふ」

まぁ、由希の幸せそうな顔見てたら怒る気も失せるんだけどね。





「で、お願いって何?」


今日会う約束をしたのは、由希のお願いとやらを聞く為だった。

由希はにやにや笑いながら、何かの雑誌をばっと出した。


そのタイトルを見た時、胸がどきりとした。・・・まさか。




「この映画一緒に行って欲しいの!!」



・・・どうしてまたこんな。



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