君が想うより、ずっと ⑴【 完 】




タイミングよくポーン…という音が耳に響く。
振り向くとドアが開いた。
俺が反応するよりも先にガキが出て行く。
ワンテンポ遅れて俺もエレベーターから出た。


「おい、具合悪いのか」
「別に…悪くない」


声をかけると今度は俺が顔を覗き込むよりも先に、ガキがこちらに顔を向けた。
確かにさっきとは違い顔色は良い。だったらさっきのはなんだ?


「行かないのか?」
「…いや、行く」

声にハッとして周りを見渡すと、エレベーターの前で立ち竦んでいる俺に、沢山の目が向けられていることに気がつく。
あークソ、考えるのは家に帰ってからにするか。


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