君が想うより、ずっと ⑴【 完 】


出逢いはいつも突然に始まる。

「「あ」」

目が合って声がハモった。
まさかまた会うことになるとはな…なんて考えていたら、向こうが頭を下げた。

「元気だったか?確か、夏生だったよな?」
「あー……はい、まぁ」
「名刺渡したのに全然連絡しねぇし」
「いや、する方が少ないっすよ」

まぁ…そうかもしれねぇけど。
でも相手が社長だって知っていたら、お礼とか期待しないのか?

エレベーターで世話になった夫婦はちゃんと連絡してきたぞ?
そういや、三つ星がついてる料亭でもてなしたら凄く喜んでたな。
まぁ夏生は高校生だし、連絡すんのとか面倒くせぇと思ったのかもしれない。

なんてことをぼんやり考えていて、ふと気がついた。

「お前、九条の高校通ってんのか?」
「そうっすけど」

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