君が想うより、ずっと ⑴【 編集中です】


零がどうして俺と一緒に寝ない選択をしたか。
その理由は気になる。どんな手を使ってでも教えてもらうつもりだが、とりあえず今優先するべきはそこじゃない。
理由はどうあれ、一緒にまた寝てくれるように説得するのが先だ。これは俺の死活問題でもある。

「…傑も、寝てないのか?…これ、隈…?」

俺の目元に零の指先がそっと触れた。

「あぁ、ここ3日ろくに寝てねぇな」
「……そうなのか」
「…だから、零。俺の為にも一緒に寝て欲しいんだけど」

我ながら意地の悪い言い方だとは思う。
零は優しいから、俺が眠れないと知ったら首を縦に振ってくれるだろう。

全て見込んだ上で話すのは、絶対に勝ち取る為。
それはビジネスでも同じだ。欲しいものは必ず手に入れる。

「…わかった、一緒に寝る」

ほらな。

「ありがとう、零」

ギュッと零を腕の中に抱き寄せる。
あぁ、落ち着く。
とりあえずは安眠を確保できた。

あとは一緒に寝ないと言い出したキッカケだけ。
これに関しては…簡単に教えてくれなさそうだし、徐々に探るしかねぇか。

ぐぅ〜と腹の音が聞こえる。

「…っくく、ごめん。零すぐ用意する…っはは…」
「笑うな!」

抱きしめていた身体が離れて、零が俺の寝室へと駆け込む。
本当に可愛いなぁ。顔真っ赤だったし。
よし、と気合を入れて立ち上がり、夕飯を作るためにキッチンへと向かった。

0
  • しおりをはさむ
  • 637
  • 8315
/ 516ページ
このページを編集する