君が想うより、ずっと ⑴【 編集中です】



「れー…」

声をかけようとして、止めた。
イーゼルスタンドに立て掛けたキャンバスの対面に座り、ジッと見つめている。

部屋の窓から風が入り込み零の髪を揺らす。見たことない真剣な横顔に…胸が跳ねる。

口元を手で覆って、思わず隠れた。
いや、なんで呼びにきたのに俺隠れてんだ?
なんだ、これ。なんでこんな鼓動が早いんだよ。

「傑?」
「うっっっわ!びっくりした…」

俺の声に零が目を丸くする。
いや、普通いきなり現れたらびっくりするからな。

「どうした?顔赤いぞ」
「え?いや、なんでもない。そ、それより、部屋片付いたか?」
「片付いた。今日はパスタか?」
「あぁ、できたから呼びにきた。冷めないうちに食べよう」

零とふたりで一階へと向かう。
チラッと零の横顔を盗み見するが、いつもの零に見える。なんだったんだ、今の…。

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