鈴蘭学園物語①

第1章 スズランの館 /Vs.ヤクザ男

太陽寮の二階へと足を踏み入れた俺が見たのは、果てしなく続く長ーい廊下だった。


そして両サイドにズラリと連なる茶色い扉のオンパレード、壁が淡いベージュテイストだから扉の色がよく映えて高級感が漂っていた。


俺、人生の中で扉見て『高そう』って思ったの初めてだよ。

ロビー同様赤い絨毯が敷かれた廊下を、とことこ歩いていく。


そんな道中思うのは、ついさっき会ったパツキン寮長さんの事で…。





『【鈴蘭】初の奨学生って事で周りの奴等があれこれ騒ぐかもしんねぇが、最初だけだから気にすんな。いつでも遊びに来いクロ、茶ぐらい入れてやっからよ』




っかー、ちょー兄貴だぜ。惚れちまうよ。

男前寮長まさやんの優しい言葉に胸がほくほく、思わずニマニマと笑みが零れる。


けど、ちょっと意外だったなぁ。
何がって、アレだよアレ。

だってさ、女子と男子で寮が分かれてんだろ?



だったら『女子寮』の寮長って普通、女がするもんなんじゃねぇの?







……ま、いっか。




それより同室者ってどんな子だろ。

それがすげー気になってたり。


まさやん曰く3年生は受験生だから一人部屋になるらしいんだけど、1、2年の間は基本同学年の二人部屋。

初めての寮生活ってのも去る事ながら、今はまだ見ぬ同室者にわくわくドキドキ期待が高まる。


ほら、俺ってばこんな性格だからさ。
女友達より男仲間の方が断然に多いんだよね。


なんか女の子って、自然と守る対象になっちゃうっつーか。だから友達っていうのは少ねぇの。


なので同室者は久しぶりの、俺の女友達候補。

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