ナイショの恋は、あのねのね【完】

9.ナイショの存在





『ただいまより、第〇回北陽祭閉会式を始めます。校内にいる生徒は作業をやめて、速やかに体育館にーーーー』




お祭りの最後の、この切なさはなんだろう。


さっきまでキラキラ輝いていたなにかが、ゆっくりと色褪せていって、随分懐かしく感じる。


たくさんの人の笑い声も、活気溢れる空間も、匂いも、音も、胸の高鳴りも。


あちらこちらに散らばるその余韻は、時間をかけて徐々に消えていく。


高校最後の学園祭が終わった。


実感するには、まだちょっと時間が足りない。





「ねー!!片付け終わんないんだけど!!?」


「明日にしてさっさと打ち上げ行こーぜー」


「結構頑張ったよね、私達!」



学園祭が終わり、今はそれぞれのクラスの片付けに当てられる時間。


けれど生徒達の手はお祭り気分が抜けないのか、いまいち進みが悪く見える。


その様子に私は少し笑みを浮かべて、帰る準備をしていた所に林さん達がびっくりしたように話しかけてくる。



0
  • しおりをはさむ
  • 390
  • 8400
/ 360ページ
このページを編集する