ナイショの恋は、あのねのね【完】

13.ナイショの会話




朔と仲直りした次の日は、ちょうど休日だったので私はある所へ向かっていた。


ホテルから出たあと朔はそのままバイトへ向かい、夜にまた私の家に帰ると約束した。


なんだか、そんな何気ない普通のことが嬉しく感じる。


多分、私は自分で思っているよりも彼に飢えていたんだと思う。


だからいつもはどうしても憂鬱な気分になってしまうこの場所も、今日はまだマシな気がした。



「……お母さん」



ドアをそっと開け、奥の方のベッドで窓の外を眺めている影に声をかける。


一度だけじゃ反応しなかったため、もう一度呼びかけるとその頭がゆっくりとこちらを向いた。



虚ろな光が浮かぶその瞳が私を捉える。


ほんの少しだけ弱々しく口角が上がったことを確認して、私はほっと胸を撫でた。


良かった。

今日は調子がいいみたい。




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