ナイショの恋は、あのねのね【完】





まさかそんなこと言われるなんて想像していなかった私は、思わず固まるという失態を犯してしまう。


様子をまじまじと見つめていた2人が訝しげに視線を向ける。


それに慌てて目が覚めて、何かを話さなきゃと口を開くが、何を言っていいか分からず言葉がすぐには出てこなかった。



「───呉羽」



完全に放心状態の私に落ちてくる、優しい声。



「篠田さん、立川さん、ごめんね話の途中で。
先生が薮下さん呼んでるみたいだから連れてかなくちゃいけなくて」


「……あ、そ、そっか!うん分かった!全然大丈夫だよ!」


「ごめんね、薮下さん!また後で話そ」


「……うん。ごめんね、また後でね」



きっと不自然だと思われてるんだろう、それでもどうしても視線を逸らすしかなかった私は、八尋くんの背中に隠れるように教室から出ていった。


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