ナイショの恋は、あのねのね【完】

18.ナイショの嘘




次の日の朝。


今まさに玄関から出ようとしたタイミングで、ピンポーンと部屋にチャイムが鳴り響く。


一呼吸置いてからドアを開けると、優しく光る夜空のような双眸が私を待っていた。



「おはよ」


「……おはよう、八尋くん」


「……なに?」


「いや、八尋くんなんか朝が似合わないなーって」


「なんだそれ」



クスクスと笑いを零す八尋くんに、言い訳をするように自分の思いを早口で伝えた。



「いや、初めて会ったのも夜中だったし、なんか八尋くんって黒っぽいし、目の色も夜の空みたいだし……」


「ふうん」


「なんか、朔の目と逆だなあって」


「また朔くんか」



うんざりしたように眉を顰めた彼に、ごめん、と未練タラタラの時分を恥ずかしく思いながら言えば、すぐにふ、と笑みを落とした。




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