ナイショの恋は、あのねのね【完】

20.ナイショの叫び





「……朔」



思わず、と言ったばかり零れ落ちた私の声を聞いて、階段下で座り込んでいた朔は、さむ、と呟きながら立ち上がった。


いつから、そこに。


強い疑問も裏腹に、それは声には出せなかった。


驚きと緊張と、……ほんの少しの恐怖が、私の行動を縛る。


目の前の朔はいつも通りで、そう、怖いくらいに平然としていて。


私がなぜこんな夜更けに駅にいるのか。


決してそこら辺に出かける量ではない荷物を持っているのか。


きっと全部知っている。


朔は全部知っている。



「……八尋くんに聞いたの?」


「……あと裕子が教えてくれた」



家で待ってろって言ったのに、と若干呆れたような声で言いながら近づいてくる朔から、思わず後ずさる。




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