ナイショの恋は、あのねのね【完】

21.ナイショの手紙






────久しぶりに晴れた日だった。


きっと外は寒いんだろう、しかし窓を完全に締切っている子の部屋には太陽の光が注ぎ込むだけで、こうして微睡む程度には暖かい。


コーヒーの香りが鼻を掠めるのを感じ取って、裕子は煙草をまた口元へ持っていった。



「ここは禁煙じゃないんですか?」



言いながらカップに入ったコーヒーを飲む八尋を一瞥して、裕子はふん、と鼻を鳴らす。



「職権乱用よ」


「うわー、嫌な大人だなー」


「あんたも吸う?」


「加えて生徒に勧めるなんて」


「成人してるじゃない、中西くんは」



つまんないとばかりに、紫煙を吐き出した裕子の姿に八尋は苦笑して、窓の外を遠い目をして眺めた。



「元気にしてるかな、呉羽達」


「……」


「あれからあっという間に1ヶ月経ちましたね」


「……ほんとよ」




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