ナイショの恋は、あのねのね【完】

It's a secret /Sleepless night





夜が更けた、もう朝に近い時間。


薄暗い部屋の中で、未だに湧き上がってこない睡魔を持て余してだいぶ時がたった気がする。


というかあれからどれくらい時間が経ったからよく分かってないけど。


目の前で目をつぶって眠る彼女は、まるで死んでるかのようで。


おかしい。


温もりも息遣いも、彼女の頭の下に回している腕が感じる重みも、誰よりも一番近くに感じているのに。


やたらと、この存在を遠くに感じてしまう。



「……お前のせいだからな、呉羽」



ぽつりと零した声は、物音ひとつしないこの部屋に静かに響くけど、夢の中に既に堕ちている彼女には届かなくて。


それをいいことに俺はなおも口を開いた。



「お前がしようとしてることも全部知ってんだからな、俺は」


「……」


「お前、自分が思ってるよりも嘘下手だし、たまに泣きそうな顔してるし、」


「……」





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