ナイショの恋は、あのねのね【完】

It's a secret /To my dearest.





───したの。



そう言うと彼は元々大きい目をさらに大きくさせて、固まってしまった。



「さ、朔?」


「……」



不安になって呼びかけると、は、と目が覚めたように瞬きをして、ゆっくりと私の方に顔を向ける。



「……呉羽」


「……うん」


「俺、」


「……うん。分かってるよ」



ゆらゆらと迷子のように揺れている彼の瞳の向日葵を優しく見つめ、私は朔を抱きしめた。



「……私達まだ子どもで全然大人になりきれてなくて」


「……」


「正直いいのかなって思うよね。
こんな私達なのに早いんじゃないかって」


「……」


「でも私。
前はこんな未来なんて予想できないほど……本当に生きていくことに関心がなくて。
いつこの人生が終わってもいいって思ってて」


「……」


「朔に出会えたから。今がこんなに幸せだから。
生きててよかったって心から思えてるよ」


「……」



無言のまま私の言葉を聞いていた朔は、強く私を抱きしめ返す。



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