憧れのアナタと大嫌いなアイツ【完】

愛してる


「凄いマンションだね」

「俺の人生と引き換えだから
こんなもんじゃねぇか?」

そう言ってクスっと笑った柊

「人生って・・・」

そんな大袈裟なことなのかと思ったら

「家元を受ける条件にした」
そう言って笑ったから
大袈裟でもなんでもなかった


ガラステーブルの上に置かれたマグカップは
私の大好きなブランドのロゴマークが入っていた

「これ、彼女の趣味?」

ロゴマークに触れながら深く考えずに
ポツリと出した言葉に

「あ"?」

瞬時に反応した柊の表情は
背筋が凍りそうになるほど冷たかった

「・・・えっと、ごめん」

何に対してなのか上手く答えられないけれど
咄嗟に【謝る】ってキーワードしか浮かばない

「見くびるんじゃねぇ」

更に怒りを孕む視線も投げられて
石化寸前の涙目の私に

「この家に女は入れたことない
それに・・・
彼女なんて特定の女も作ったこともねぇ」

そう言って隣に座ると
固まる私の肩を抱いて

「花乃はお仕置きだな」

スッと目を細めたまま口元を緩めた

「きゃっ」

ソファに座ったままでサッと横抱きにされた

「・・・えっと」

もの凄く恥ずかしい体勢なんですけど

焦って横抱きから起き上がろうとするけれど
全く動けない

「よく、聞いてろ」

間近で合わせられた視線が強すぎて
コクコクと頷くしか出来なかった






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