Two targets ㊤ 《完》

目の前の仁の口端がゆっくり上がり、人の悪そうな笑みを作った。


「お前は俺のものなんだよ。どう足掻《あが》いてもな」


グッと顎を掴まれて、仁の顔が近付いてくる。
あたしは目を見開いてそれを見ていた。


唇が重なり、まるであたしの抵抗を奪うような激しいキスをされる。
隙間から舌が入り込み、苦しいくらい奥まで舐められた。


目に涙が浮かぶ。


こんなの可笑しいのに、抵抗できない自分を感じた。


だから、


考えるのを諦めるようにあたしは瞼を閉じた。

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