Two targets ㊤ 《完》

マスターが与えた情報を考えるのに、少し時間がいると思った。


これから自分が取るべき行動も。


あたしは無言で椅子から立ち上がる。


あたしが帰ろうとしていることを察したのか、マスターの顔から鋭さが消えた。
それを感じながらも無言でドアに向かっていく。


「そうだ…」


そんなあたしの背中にマスターの声が掛かった。


「興味があるんだけど、君の個人情報をロックしているセキュリティーを作ったのは君かい?」


あたしは立ち止まり、小さく首を振った。


「それじゃあ、誰が?」


その問いかけにあたしは顔だけ振り向き言った。


「それを……知ろうとしない方があなたの為ですよ」


あたしを守る盾は、あたしが作ったんじゃない。




――そしてそれをやぶれる人物は、この世に一人しかいないだろう。
それを作り上げた本人だけ。

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