Two targets ㊤ 《完》

一瞬、部屋の空気が固まった。


え?
あたし、今、何て言った?


自分の口許を手で押さえる。


シュウを横目で見つめると、呆れたような視線と目が合った。


え?え?


「そうか……」


芹澤仁が呟き、あたしは恐る恐る顔を上げた。


ニヤリと上がる口許に、背筋が冷たくなった。


「『shadow』はお前か」


生まれて初めて、自分から意識を飛ばしたい、と思った瞬間だった。

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