【獅子の独白~新・山月記~】

作者市藤にたか


私は獅子である。


そして、私は人であった。


私は思い出したのだ。


人であったときの記憶を。


人の思考に獣の体。


私は問う。


この過酷な草原において。


私は人であるべきなのか。


あるいは獣たるべきなのか。


人は、なぜ人たるのか。


獣は、なぜ獣たるのか。


答えよ、汝。


汝、人たるものよ。