隣の悪魔 【完】

交換条件







「おい春風!」





バシッとファイルで頭を小突かれた。
地味に痛い…






「お前今日ぼーっとしすぎ。これ入力しといて。」





どんっと私の机にファイルを置いて、総務のリーダーである井上さんは行ってしまった。





「すみません…」





小さくなった井上さんの背中を見ながら呟く。
今日はダメだ。全く仕事に集中出来ない。



同じ事務所にいる橘をチラリと見る。
と言っても、事務所は結構広いから橘の席は遠い。
私がここから見る限り、奴はいつも通りだ。



さっきの無表情で冷たい橘じゃない。
笑顔を絶やさない、いつもの橘。




でもおかしいな。
隣人は確かイケメンだった…




やっぱり人違いなんじゃないだろうか。

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