Crescent Moon Ⅰ【完】若頭ハルと私の物語

第2章 /やさしい手




窓の外を流れる景色は、いつもの帰り路とは違っていた。



どこに行くの?と訊きたかったけど、喋ろうとすると切れた口が痛くて、

「どこ…?」

としか話せなかった。



「…俺んち」



は?何であんたの家?

「やだ…」

「傷の手当てするだけだ」



…ハルは読心術が得意らしい。



いつも以上に気まずい空気の中、滑るように辿りついた先は、



「…お寺?」



ハルに睨まれた。


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