Crescent Moon Ⅲ【完】若頭ハルと私の物語

第8章 /誰がために




何十回目の寝返りと溜息だろう。



「とにかく、待っていてもハルは来ないわ。沙羅ちゃんも今日は疲れたでしょう?もう休みなさい」

トウコさんに言われてベッドに潜ったけど、眠れるはずがない。



ベッドにはハルの匂いが染み付いてて、今頃ハルはどうしてるんだろう、切られた腕はちゃんと手当してもらえたんだろうか、とかずっと考えてた。

タクも…

寂しがってないかな?



ハル――



思い浮かぶのはハルの顔だけ。

逢いたいよ…

…逢いたい――



私はいつも守られてばかりだ。



こんなんじゃいけないってわかってる。

私だって、大切な人を守りたいって思ってる。

だけど――



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