由弦くんは狙われている【完】

第一章

男子校だからと安心していた。
だけど、ここ最近は危険地帯でもあることを知った。

そう、野郎はいつ狼にかわるかわからない。

学校から出れば、女もいる。
そいつらもいつ肉食系になるかわからない。

それをこの一週間で嫌ってほど思い知った。

校舎裏の茂みに隠れながら、おれは息を整えていた。
いや、正確に言えば『まるる』がだ。

『まるる』とは、取り合えずでおれたちがつけた彼女のアダ名みたいなものだ。

由弦ゆづるさん。これからどうしましょう?」

(シッ。黙れ。奴らに見つかるだろうが)

おれは、まるるに言う。
彼女は静かにうなずいた。

「ね、ねえ!由弦くんはいた?」

「こっちに走って行ったと思ったんだけどなー」

メガネとデブが辺りを見回している。
おれたちは息を潜めた。

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