由弦くんは狙われている【完】

第四章

次の日の休み時間。
吉平は、おれの前の席に座りながら上機嫌に話し続けていた。

彼女の自慢ばかりだ。
しかも、見た目のことばかり。

まるるはよくこんな中身のない話を聞いていられるな。
いくらダチでも何日も似たような内容が続くとウンザリしてくるぞ?

「由弦ー、呼んでいるぞー!」

クラスメイトの一人に声をかけられる。
一瞬、身構えてしまう。

家庭科部の奴らじゃないだろうな。
おれを愛でる会とかいう気持ちの悪い奴らでもないだろうな。

念の為に早めに逃げられるように指示を出しておくべきか?

(どうしましょう!?)

まるるの焦った声に、おれの悪い予感が当たってしまったのだと思った。
しかし、ドアのところに立っているのは優之心だった。

(何だよ、焦らせんなよ)

(だって、許してもらえるような材料をまだ集めていないんですよ)

(ストレートに謝ればいいだろうが。下手な小細工をされた方がムカついたりするからな)

(それもそうですね)

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