由弦くんは狙われている【完】

第五章

校内がどこかソワソワし始める季節がやってきた。
まるるはそんな様子を不思議そうに眺めている。

(みなさん、どうしたんでしょうか?)

(もうすぐ、御波女学院との合同祭があんだよ)

(それは何ですか?)

(文化祭みたいなもんだな。おまえは知っているか?)

(知っていますよ!わたしも生前に参加していた気がします!飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりするんですよね!)

当たり前のことをただ口にしている。
客として参加していたような発言だ。
まるるって本当にいくつだ?

(懐かしいです。あの子のクラスは確かケーキを出していました。美味しかったな)

あの子?
また『あの子』か。
前にも子どもとぶつかった時に呟いていたな。

(あの子って未練の相手か?)

おれはさりげなく聞いた。

(え?あれ?そういえば、あの子って誰のことでしょうか。無意識に出たんです)

まるるは考え出した。
すぐには思い出せない相手か?
それならば、忘れてしまえばいい。

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