由弦くんは狙われている【完】

最終章

大学病院に着くと、双葉が受付に向かって行った。
手続きをしなければ、見舞いはできないらしい。
その間、ばあちゃんはずっとおれを見てニヤニヤ、ニヤニヤと笑っている。

(そんなに楽しいかよ!?)

(由弦さん!どうか抑えてください)

「そりゃ、楽しいさ。こんなに愉快なことが身近に起きていたんだからさ。こういうことがあると、長生きがしたくなるね」

(ほらな!ばあちゃんはこうやって人が困るのを楽しむような性格の持ち…主!?おれの声が聞こえているのか?!)

「電話をもらった時から聞こえていたよ。それで、ピンッときたね。廃墟の病院のことをさ」

(じゃあ、何でその時に言わなかったんだよ!)

「楽しみは最後にとっておくものだろ?」

(それは、ばあちゃんにとっての楽しみだろうがっ!)

おれとばあちゃんが軽く言い合っていると、双葉がおれたちのところにきた。

「許可がとれたので行きましょう」

「ああ」
「うん」
「はい」
(おう!)

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