由弦くんは狙われている【完】

「え?あの?おばあさん?」

そして、ゆっくりとおれをまるるが眠るベッドへと近づける。
トンッ、背中を押されると、おれの唇が眠るまるるの唇に触れた。

その瞬間、身体に衝撃が走った。
ここにきて、初めて自分の意思でまぶたを閉じた。

「ゆ、ゆ、由弦さん?!今、何を?!」

まるるの可愛らしい声がする。
その声に誘われるように、おれは目を開く。

目と鼻の先にまるるの顔がある。

「由弦!」
「あーっ!!」

優之心と吉平が叫んでいる。
もう、遅いんだよ。

やっぱり、好きになってもらう為には『おれ』と『まるる』の身体と心が別々じゃなきゃな。

「これから、おれのことをゆっくり好きになってもらうから、覚悟しろよな?まるる?」

「~~っ」

まるるは唇を手でおさえて真っ赤な顔をしている。
そんなまるるにおれは笑顔を向ける。

「紳士協定はどうした?」
「おれもチューしたいー」

こうして、おれたちのまるるの気持ち争奪戦の第二ラウンドが幕をあけた。
まあ、勝つのはおれだけどな?

【完】

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