Stay with me 前編【完】

Chapter3 /遠い存在







──…園の遊戯室。


7月半ばを過ぎると炎天下の日が続き、長時間外で遊ぶのは熱中症の心配がある為、子供達は日中は屋内で過ごすことが多くなってきた。

日差しの強い今日もそれは変わらず、昼食後の最も暑い時間帯の今は遊戯室で絵を描いたり、おもちゃで遊んだりしていた。



「ねー、沙良ちゃん?」

「うん?なーに花梨ちゃん?」

「花梨…お絵描き飽きたぁ。お外で遊びたい…」


花梨ちゃんは珍しく不満げにそう呟く。

そうだよね。ずっと屋内にいると飽きちゃうよね。でも、こんな炎天下の中外で遊ばせるのも心配だし……


「今はお外は暑いからちょっと我慢して、後で涼しくなったらお散歩行こうか?」

「うん!お散歩行く!」

「じゃあ、それまではお昼寝しよっか?」


さっきから瞼を重そうにして目元をこすり始めた花梨ちゃんに優しく問いかける。


「…うん…寝る… 」


可愛く頷く花梨ちゃんの頭を撫でて、その小さな手を
取って、一緒にお布団のあるお昼寝部屋に向かった。



花梨ちゃんが寝入ったのを見届けた後、園庭に面した廊下を歩く。廊下に備え付けてある椅子に座り、うっすらと浮かぶ額の汗を拭った。


「今日も暑いな…」


ふとそんな独り言が零れる。

花梨ちゃんをはじめとする小さい子供達はお昼寝中で、今は園庭には誰もいない。

そんな静かな園庭をしばらく眺めていた。






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