Stay with me 前編【完】

Chapter4 /幸せな気持ち




2日前の雨が嘘のように晴れた日の朝。

濃紺のカーテンの隙間から漏れる陽の光によって、深い眠りが続いた私の重い瞼はようやく開くことが出来た。



胸に秘めた想いを伝えたあの日。

熱があった私は玲司さんに抱き締められたまま、またすぐに意識を失くした。

体を起こして辺りを見渡せば、見慣れない場所。


「……玲司さんの部屋?」


記憶は曖昧だけれども、この大きなベッドとそれ以外に何も置いていないシンプルな部屋は、確かにあの日見たものと同じだった。



多少の怠さは感じるものの、倒れた時の辛かった頭痛も関節の痛みも和らぎ、意識ははっきりしている。

もう熱は下がったみたい……



額に違和感を感じてそこに触れれば、数時間前に貼られたであろう冷却シートがある。それを剥がしながら思い起こすのは今朝までの玲司さんの姿。

熱に魘されながら夢と現実を行き来していた私だけど、朦朧とする意識の中、玲司さんが看病してくれた姿を朧げにだけど覚えている。

そして──…


『 ……沙良… 』


何度も心配そうにその名前を呼んでくれた。





殺風景な部屋の先には一つのドアがある。


………玲司さん


気付けば、指先が唇に触れていた。

………あの夜のことは、夢じゃないよね?
その扉を開ければ貴方に会える……?


ベッドを降り、私は早く貴方に会いたくて……そのドアを開けた。






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