Stay with me 前編【完】

Chapter5 /清流会







眩いネオンの光に包まれた夜の街。

多くの商業施設を持ち、都内有数の主要都市であると同時に、夜の街としても大規模な歓楽街を抱えるこの街の駅前は今夜も多くの人が集まっている。



治安の悪いこの歓楽街の中でも、比較的安全な通りに面した一角に建つ、喫茶店『sole』。


「ありがとうございました」


21時半を周り客足が減り始め頃、食事を終えた人達がぞろぞろと会計を済まし、ようやく今日のアルバイトの時間が終わろうとしていた。


「……ねぇ、沙良ちゃん?」

「何ですか?」


お客さんの食器を片付けながらテーブルを拭いている私に、向かいの席に座った佳代子さんが何気なく声を掛けた。


「沙良ちゃんは付き合っている男性はいるの?」

「…えっ?」


思いもよらない質問に思わずテーブルを拭いていた手の動きが止まる。

………何で急にそんな質問するんだろう?

佳代子さんは動揺して言葉に詰まる私が面白いみたいでニヤニヤと笑っている。


「この前見ちゃったのよね〜。ちょうど沙良ちゃんが店を出た後にゴミ出しをしたら、車に駆け寄って行く沙良ちゃんをさ?遅い時間だったから、沙良ちゃんの彼氏かなぁと思って」

「……そう、だったんですか……」


見られてたんだ……
佳代子さんのその問いに、気まずく笑う。

つい先日、玲司さんに想いを伝えて新しい関係が始まった私達。

別に隠すわけじゃないけど……
やっぱりこういうことに慣れていないから、いざ『付き合っている』って人に伝えるのはどうにも照れくさい。


「ふふ。沙良ちゃん顔赤いわよ?」

「……?!」


楽しそうにクスクスと笑う佳代子さん。


「今日もお迎えの車来てるわよ?」

「……え?」

「さっき店の外に出てたら、この前と同じ車停まってたからさ。違う?」







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