Stay with me 前編【完】

Chapter7 /儚い2人





翌日の朝はやっぱり雨だった。

昨夜から降り始めた雨は雨音を増し、今だ止む気配を見せない。昨日までの暑さが和らぎ、むしろ少しの肌寒さを感じさせる。


「お外、雨だね」

「……うん。そうだね」

「お庭で遊びたかったな……」


しょんぼりと残念そうに俯く花梨ちゃん。桜の葉園の遊戯室では、花梨ちゃんが窓から見える園庭の水浸しの滑り台やブランコを寂しそうに見つめていた。


「大丈夫だよ。晴れたらまた一緒にいっぱい遊べるから。ね?」


花梨ちゃんの頭を撫でてそう慰めれは、すぐに笑顔を取り戻し、別のおもちゃをに取りに行く。

その可愛らしい後ろ姿にひと安心しながら、ふともう一度外の景色に目を向けた。





………昨日。


電車で帰ろうとしていた私と駿君だったけど、ビルを出ると既に用意されていた車と九条さんの指示を受けた組員さん達が待っていて、私達は半ば強引にその車に乗せられた。

帰りの車内、いつもは無口の駿君が珍しく色々話し掛けてくれたみたいだけど、あまりに色々なことがあり過ぎて、駿君の声をどこか遠くに聞いていて。

車窓から降り始めた雨をただ見つめるだけだった。




「晴れたら……か 」


この雨はきっと止むだろうけど、陰ってしまった自分の心をまた晴らすことは出来るんだろうか。

玲司さんを好きな気持ちは変わらないはずなのに、返り血を浴びて無表情で佇む玲司さんの姿がどうしても忘れられなくて。

私は一体どうしたいんだろう。

もう自分でも自分の気持ちがよく分からなかった。









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