Stay with me 前編【完】

Chapter8 /再会






「もう、この前は本当にびっくりしたよ… 」


あれから一週間が過ぎた、金曜日の午後。

近所の区立図書館に来た私と由香ちゃんはこの前の出来事について話していた。

あの夜、玲司さんが去った後すぐに、由香ちゃんからは質問責めに合い、私達の関係の大まかな説明をしたのだけれど……

未だに驚きを隠せないようで、あれから何度も同じ台詞を呟いていた。


「驚かせてごめんね……」

「ううん。事情が事情なだけに仕方ないよ……だって、相手は‘’ アノ ‘’ 清流会の芹澤さんなんだもん」


‘’ 清流会の芹澤さん ‘’ か……

その言い回しにこれまで何度も忠告されたみんなの言葉を思い出す。もうその意味はとっくに理解しているはずなのに、その言葉は胸に痛みを与えた。


「でも、本当に大丈夫…?」

「……うん?」

「えっと、その……芹澤さんと関わって…」


気まずそうに言葉を濁す由香ちゃんに、何が言いたいのか何となくだけど分かる気がした。きっと由香ちゃんもみんなと同じことを思っているんだ。


「心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ…」


でも、ううん……だからこそ、由香ちゃんにまで心配はかけられない。安心してもらえるように、笑顔を向けてそう微笑んだ。


「そっか……うん、分かった!
あっそういえば、ここの問い分からなかったんだ」

「あぁ……えっと、それはね……」


納得した由香ちゃんは勉強を再開させ、また問題集に目を向ける。

安心してくれて、よかった。
うまく笑えて、よかった。

本当は何一つ大丈夫じゃないけど………何事もなかったように笑えてよかったと、その質問の問いに答えながらそう思った。








0
  • しおりをはさむ
  • 3244
  • 1395
/ 551ページ
このページを編集する