Stay with me 前編【完】

Chapter9 /星にかけた願い




高層マンションの最上階。

眼下に広がる無数のビル群の光。その光は今日も休まることを知らないかのように光り続けている。

地上からこんなに遠く離れた場所なのに星はほとんど見えなくて、闇夜を照らす星屑も、月の光も。都会では意味をなさないのかもしれないと───…

濃紺のカーテンを握り締め、その窓枠に1人佇みながらふと感じた。






「起きたのか?」


艶のある心地良い低い声。

その声に振り返れば、グラスを手にした玲司さんが後ろにいた。


「はい……」


グラスには氷ときっとお酒が注がれている。種類は分からないけどお酒らしき瓶がローテーブルに置かれていたのをさっき見た気がしたから。


「……そうか。沙良も何か飲むか?」

「あっ、いえ…えっと……」


遠慮気味の私に黙ってミネラルウォーターを差し出した玲司さん。一口飲めば、それだけで泣きはらした喉が潤される。

少しだけ目を細めて微笑む玲司さんに自然と私も微笑みを返す。沢山心配を掛けたから安心してほしいって気持ちもあったけど、それだけじゃなくて……

きっと、今の私は偽りなく素直に笑顔を向けていた。






時刻は0時15分。

時計の針は穏やかな時を刻んでいく。






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