Stay with me 前編【完】

Chapter9 /サプライズ





高層マンションの最上階。

澄み渡る青空には1日の始まりを告げる太陽が既に上り始めている。居住宅が1つしかないそのフロアの一室に、朝日が差し込むと深い眠りについていた意識が徐々に目覚め始めた。

心地良い温もりに包まれ、瞼を開ければ目の前には一分の隙もなく造られた秀麗な顔がある。


「……っ?!」


驚きですぐさま距離を取ろうと体を動かすも、思いのほかに強い腕の拘束にそれはかなわず……

え、えっと……これは……?

向かい合わせには玲司さんが眠っていて、抱き寄せられた体にはしっかりと腕が回っている。

何故今、こんな状態が起きてしまっているのかと瞬きを繰り返しながら、昨夜の記憶に思考を巡らした。





「………」


フリーズしてから1分後……

あぁ、そうだ……昨日泣き腫らした私は玲司さんの好意に甘えて泊まらせて貰ったんだと思い出す。そして同時に、すぐに顔が熱くなるのを感じた。




……昨夜。

玲司さんとの出会いの記憶を思い出した私は慣れないキスを何度も繰り返し、そのまま意識を手放したんだった。

うぅ…恥ずかしい。

もう。キスだけで意識を失うなんて……私ってば、ほんと子供っぽい。玲司さんは呆れてなかったかなぁ。

なんて、自分の失態にため息をつきながらその愛おしい姿を見つめる。




………。

それにしても、本当に綺麗……

何度も目にしているはずなのに、初めて見る無防備な寝顔は新鮮でつい魅入ってしまう。

無造作に降ろされた前髪の隙間からは長い睫毛が伏せられていて。整いすぎるその寝顔は、吐息が感じられなければ、本当に造られた人形のように美しかった。










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