Stay with me 後編

Chapter13 /誤解





週明けの月曜日。

いつものように人通りの少ない校門近くの脇道で送迎の車から降りると、冬の訪れを感じさせる冷たい風が吹き抜けた。

転入した頃は夏服だった制服も冬服に変わり、11月を過ぎた今、ブレーザーとマフラーだけでは寒さを凌ぎきれない。

そろそろ、手袋やコートを用意しなきゃな……

かじかむ手をぎゅっと握りしめ、校門から校舎まで足早に歩いた。





「あれ?おはよう。千尋…今日は早いね」

「あ、うん…おはよう……」


教室に入ると何故かいつも遅刻ギリギリに登校してくるはずの千尋がいた。教室を見渡してもまだ殆どのクラスメイトが登校していないのに。


「珍しいね。どうしたの…?」

「やっ、その……」

「……?」


目線を足元に移し、千尋は気まずげに言葉を濁す。いつもと違う千尋の態度に疑問を感じるも、すぐに答えは返ってこなくて。


「あぁ…っと、ごめん。何でもない……」


待ってる間に教室には他のクラスメイトが沢山入ってきてしまって………結局、何も聞けなかった。




4時限目……

数学の先生が話す数式の説明にぼんやりと耳を傾ける。

週末の土曜日は由香ちゃんと駿君達と出掛けて、昨日は花梨ちゃん達と遊んだ後、夕方からは『sole』で22時近くまで働いた。

疲れが残ってるせいか、少しだけ眠くなってくる。眠気と戦いながら、数式を淡々とと黒板に連ねる先生の字をノートになぞった。




「……沙良。図書室行かない?」

「あ、うん……」


千尋の声にお弁当を用意して席を立ち上がる。

いつもと様子の違う千尋。朝、確かに私に何かを問い掛けようとしてたのに、その後千尋がそれを口にすることはなかった。

何だろう?訊きずらいことなのかな……
それとも、何か千尋は悩み事があるのかな……?

図書室に着いたらそれとなく尋ねてみよう……そう思いながら、第2校舎の図書室へ向かった。





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