Stay with me 後編

Chapter11 /後ろの席の彼女




午前中の授業が終わり、昼休みを告げる鐘が鳴る。

初登校の日から1ヶ月。

季節はもう10月に移り変わり、半袖だった制服は今はもう肌寒く、殆どの生徒がセーターやブレザーを身に付けている。

ブランクのあった勉強のこと。友人のこと。不安や緊張もあったけど、漸く最近では授業やクラスメイトとの会話にも慣れ、生活の一部としてこの水瀬高校での時間に慣れてきた。

そして、自分自身のことで一杯一杯だった最初の頃と違って、慣れてくれば見えてくるものもある。





「ちーちゃん!お昼一緒に行こう!」


机でお弁当やパンを広げたり、売店や食堂に向かう中……少し高めの可愛らしいが声が教室の中へと届いた。

声が向かう場所は教室の後ろ。窓際の席。


「あーうん。今行く…」


その声に反応した彼女は今まで机に突っ伏していた顔を上げ、面倒くさそうに返事をすると最小限の荷物を持って立ち上がった。


「もう!みんな待ってるよ…!」


唇を尖らせて不満漏らす可愛らしい小柄な女の子と隣に付き添う2人の男子生徒。クラスのみんなが今までしていた動きを止め、後方の扉にいる彼等を見つめる。

違うクラスの彼等が私達の教室の後方の扉から桐谷さんを呼んでいた。


「はいはい…」


ショートヘアの明るめのライトブラウンの髪が僅かに揺れる。桐谷さんは欠伸をひとつ零しながら、急かされるように教室を出て行った。







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