Stay with me 後編

Chapter15 /変わらない存在






昨日までとは違う新しい朝。

新たに始まった日常は全てが変わっていた。






マンションの玄関を出る直前。いい加減コートを用意しなきゃと思っていた矢先、玲司さんからコートとマフラーを渡された。


「あ、あの…?」

「沙良のために用意させた」


学校指定の紺色のPコートとお洒落に疎い私でする知ってるような某有名ブランドのベージュ色のチェックのマフラー。

こうやって何かを贈られるのは初めてじゃないけど、それでも金額を考えてしまうと申し訳なくて……


「おいで、沙良」


躊躇う私を抱き寄せ、コートを羽織らせた玲司さんはそのまま首にマフラーを巻き付ける。


「この色にさせて良かった。似合ってる」

「でも、玲司さん…、あの…」

「外はもう寒い。沙良は冷えやすいから。使ってくれ」


断りの言葉を告げる前に微笑まれて、額にキスを受けてしまえば、もう何も言えない。

申し訳ないと思いながらも、寒さの限界を感じていたから、玲司さんからの好意に甘えることにした。



新しいコートとマフラーに包まれて、地下駐車場に降りると、いつものように将生さんが待っていた。

でも……


「おはようございます」


そう言って乗車を促された車はいつもと違った。

黒い光沢を放つメルセデスベンツ。

昨日私を迎えに来る時に使ったその車は、普段玲司さんが仕事用として使っているもの。

いつもは目立たないように違う車を使っていたけど、そうか……もう隠す必要ないんだ。

玲司さんに手を引かれるまま車に乗り込み、車は学校に向かって発進した。






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