Stay with me 後編

Chapter1.8 /デート





カーテンの隙間から差し込む心地よい朝の光。

甘く響く自分の名前。

どうしてだか、いつもより身体が怠い。それに、今朝は優しい温もり包まれているから、もっともっとこの温もり包まれて寝ていたいとすら思う。

でも駄目だよね。いい加減そろそろ起きなきゃ。


「…沙良」


眠りの世界と現実の世界を行き来しながら、その声に導かれるようにゆっくりと重い瞼を開けた。




「沙良、起きなくていいのか?」


微睡みの中、目の前に映るのは今日も変わらず端正な顔立ちに綺麗な灰色の瞳をした玲司さん。

痛みなんて知らない艶やかな黒髪を前に下ろし、枕に肘をついて私を見下ろす姿は男の人なのに、美し過ぎてついぼうっと魅入ってしまう。


「今日まで学校だろ?」


うん。そう……

今日は冬休み前に行く、二学期最後の登校日。

千尋に会ったら、ずっと心配してくれてたから昨日のことをちゃんと報告して安心して貰わなきゃ……

…………って、あれ? えっ?!

夢心地でいた意識が覚醒する。

ぱちくりぱちくりと瞬きを数回繰り返せば、玲司さんが可笑しそうに笑っていた。


「れ、玲司さん…っ、あのっ…」


昨夜。というか明け方近くまで続いた情事の後、そのまま眠りについた私達はお互いに裸のままで。

細身なのに鍛え抜かれた上半身がシーツの隙間から僅かに見え、何度肌を重ねても慣れることのない光景に頬はすぐに赤く染まる。


「おはよう。沙良」


気恥ずかしさは今朝も変わらない。


「お、おはようございます」


毛布を口元まで引き上げて、しどろもどろに挨拶する私を見て、玲司さんは愛おしそうに笑う。

私の髪を優しく髪を梳きながら、前髪を横に流すと不意にこめかみに唇が寄せられた。










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