Stay with me 後編

Chapter1.8 /悪魔の囁き






新学期が始まってから2週間。

寒い日が続くなか、今朝も見上げた空は晴天だった。

雲一つないとまでは言えないけど、それでも新しい年を迎えてからの1月は晴れやかな日が続いていた。





「おはよう、沙良! 今日も早いねー」

「あ、うん。おはよう…」


教室の片隅で教科書を開いていれば、千尋はいつもこうやって話し掛けてくれる。

友達になってから変わらない朝の風景。

玲司さんとの関係が学校のみんなに知れ渡ってから随分経つけど、特にトラブルもなく穏やかな日々を過ごせていた。


「…数学の予習?」

「あっ、うん。やっぱり数学は一番苦手だから」

「え、そう? 数学のテストいつも悪くないじゃん」


ブランクのあった勉強は不安もあったけれど、授業にはそれなりについていけたし、千尋の言う通りテストの点数は悪くはなかった。

だから、学期末のテストでまた高得点が取れれば特待生として進級出来るはずなんだけど……


「そうなんだけど……でも、特待生のまま進級できるか自信がなくて」


特進クラスといっても、授業料の免除を受けられる生徒の人数には限りがある。

それに、やっぱり今でも数学だけは自信が持てなくて。テストはまだ先だけど、今のうちから予習と復習はしっかりやっておかなきゃと思っていた。








0
  • しおりをはさむ
  • 8693
  • 1175
/ 557ページ
このページを編集する