藍の華【完】

17. あたしの光




「今週の土曜日、零士の追悼暴走するから藍華ちゃんも来なよ」


それは、しばらくしたある日のことだった。


学校の教室で、昼寝をしようと机に突っ伏そうとしたあたしに聖夜が声をかけてきたんだ。


零士って、匡の親友だったあの零士さんのことでいいのよね…?



「それにあたしも混ざっていいわけ?」



だってそうじゃない。


零士さんの知り合いでも何でもないあたしが、そんな大事そうな行事に参加していいのかって、思うじゃないの。


そんな思いで正面に立つ聖夜を見上げるあたし。


「全然いいに決まってる!藍華ちゃんはもう俺らの仲間だし、それにこれを言い出したのは匡なんだから」


…匡が?


と、あたしはニコニコ笑う聖夜を怪訝そうに見てから、窓側の匡の席に目を向けた。


けれど、空き教室か何処かで昼寝をしに行っているのか、いつも見える気だるげな背中はなかった。


「じゃ、そういうことで!」

「あっ、ちょ!」


ばいばーいと手を振って聖夜は教室から出て行ってしまったけれど、…本当にいいんだろうか?


匡がいいって言ってるんだから、きっと平気なんだろうけど。


フゥッと息を吐いて、視線を窓の外に向け、徐々に紅葉してきた木々を見る。



……なんだろう。



いろいろ気になることはあるけれど、さっき聖夜に言われた、"仲間"という言葉にむず痒い思いを抱いた。


こんな風に"仲間"って言われたのは初めてで、思ってもみなかったからなんだかちょっと暖かくて。


ーーーいいなって思った。



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