藍の華【完】
18. 暗転の世界
「じゃ、俺は帰ってからやんねえといけねえことあるから」
「うん、わかった」
「…じゃあな」
匡はバイクに跨るとあたしの頭を優しく撫でる。
そんなさりげない行為にあたしの心臓がバカみたいに暴れ出すことを匡は知らないんだろう。
「また明日」
「…ああ」
そう言って匡はエンジンをふかして夜の街を駆けていった。
また、明日……か。
自分から言っておきながら、これっていい言葉なんだなってことをかみしめた。
さて、あたしもそろそろアパートに戻ろう。
さっさとシャワーを浴びて、布団を被って、瞳を閉じれば、また楽しい明日がやってくる。
ーーそう思って路地を曲がったその時だった。
あたしのアパートの前に停まっている一台の黒い高級車。
それに寄りかかっている男を見て、あたしは思わず目を見開いた。
ーーーな、んで。
「よお、久々じゃねえか…。
藍華?」
"神様"は不公平だ。
あらすじ
無愛想でいけ好かないあんたは、あたしを真っ黒な世界から連れ出してくれた。孤独なあんたを一人にしないって約束したのに── 【切ない/不良/暴走族】
目次
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この作品の表紙
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Prologue
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1. 窓の外の世界
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2. 愛と友情とアイツ
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3. 色のついた世界
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4. 寂しさとアイツ
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5. 白銀の狼
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6. こぼれ落ちた涙
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7. 恭子の恋と弟子
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8. 思わぬ衝撃
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9. 漆黒の龍と白銀の狼
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10. 匡の過去と悲しみ
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11. 高熱と寂しさと優
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12. 仲間ってやつ
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13. 触れた唇
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14. あっという間に過
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15. xxx……
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16. 近づく闇
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17. あたしの光
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18. 暗転の世界
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19. 朱のオトコ
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20. 光のない道
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21. 在りし日の記憶
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22. 終わらない夜
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23. 違う場所
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24. 運命の歯車
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25. 狼との再会
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26. 始まりの鐘
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27. 決戦
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27. 家族と愛と
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Epilogue
あとがき
この作品のレビュー
総合ランキング87位獲得!(2016年04月)
▶︎ 2019.7.31
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