藍の華【完】

18. 暗転の世界



「じゃ、俺は帰ってからやんねえといけねえことあるから」


「うん、わかった」


「…じゃあな」



匡はバイクに跨るとあたしの頭を優しく撫でる。


そんなさりげない行為にあたしの心臓がバカみたいに暴れ出すことを匡は知らないんだろう。



「また明日」


「…ああ」



そう言って匡はエンジンをふかして夜の街を駆けていった。


また、明日……か。


自分から言っておきながら、これっていい言葉なんだなってことをかみしめた。



さて、あたしもそろそろアパートに戻ろう。



さっさとシャワーを浴びて、布団を被って、瞳を閉じれば、また楽しい明日がやってくる。



ーーそう思って路地を曲がったその時だった。



あたしのアパートの前に停まっている一台の黒い高級車。



それに寄りかかっている男を見て、あたしは思わず目を見開いた。



ーーーな、んで。










「よお、久々じゃねえか…。




藍華?」








"神様"は不公平だ。











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