藍の華【完】

21. 在りし日の記憶





「こゆりちゃーん!こっちこっちー!」


「まってよぉ、しずちゃんー!」




夕暮れ時の公園。


テケテケと走る幼稚園児の女の子たち。



彼女たちは楽しそうに公園の遊具で遊んでいて、泥だらけになりながらはしゃいでいた。



セミの鳴き声が夏の暑さをより一層引き立てる。



「しずちゃんまって……あ、ママだ!」


「こゆりのママもきた!しずちゃん、きょうはもうバイバイだね!」



そう言ってまたテケテケと母親の元に走っていく女の子たち。



お互いに相手に気づいたのか、その母親同士もペコリと会釈をして家路につく。



キー、キー。



この光景は今までにもう何回も見てきた。



こうやって一人でブランコに乗るのだって、もう慣れっこだもん。




……でも、



と思ってぎゅっとブランコの鎖を強く握ってみる。




ーーーどうしてあいかのお母さまとお父さまはあいかと遊んでくれないの?





0
  • しおりをはさむ
  • 352
  • 25382
/ 506ページ
このページを編集する