藍の華【完】

1. 窓の外の世界




4月特有の、冬の名残のような春の始まりのような、そんな独特な「空気」の匂い。



酒を飲みたいがために、花見だ、花見だと集まっては騒ぐだけのミーハーな大人。



世間の人は春が訪れて、訳もなく浮き足立って、俗に言う「新しい出会い」を求めるのだろうか?



────くだらない。




あたしにはそう思えてならなかった。



どうせ新しく出会った人だって、上辺の付き合いや嘘で塗り固められたしょうもない奴らばっかりでしょ?



人の醜い欲と願望にまみれた、こんな“中身のない”世界。



───こんなつまらない世界なんてもううんざりなのよ。




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