藍の華【完】




───その時、あたしは珍しく夢を見た。









家の中にいるお手伝いのおばあさんに話しかける少女があたしの目に映る。




───これは幼い頃のあたし…?




少女は涙をポロポロと流して泣いていた。




「おかーさまとおとーさまはなんでおうちにかえってこないの??」




…………え。




「あいかのこときらいなの??」




「はるとくんにはあいにいくのに?」




どんどん聞こえてくる、幼いあたしの声に思わずあたしは、うずくまって耳を覆いこんだ。




やめてよ、やめてよ、やめてよ!!








「あいかはみすてられたの?」







声が聞こえてきた瞬間、あたしはガバッと顔を上げて、現実の世界に引き戻された。




………なんて夢なの。




こんなにも心は悲しいのに、涙は出てこない。




…皮肉なものね。



涙は子供の頃に枯れるくらい流してしまった。



はあっと溜め息をつき、額に手のひらの持ってきて肘で頭を支える。



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