ホ テ ル【完】

隠したレンジョウ











「柑奈ー、なんか元気ないね?」





翌日。放課後。



あれからまた小林さんからメッセージが届いた。

なんだか、あんなに好んでやっていたエンコーももう気が進まない。



使っていたアプリも消去した。

残っているのは首筋に散らばっている赤い印だけ。

上書きするように後から昴瑠が触れてきた、この上なく残酷な跡だけ。





「…別に、いつもと変わらないよ」

「嘘だ!今日の見回りだって、今まで一回も休んだことなかったのに、柑奈私に任せてきたし!体調悪いの?」

「それは……ごめん。迷惑かけた」

「別に構わないんだけど…私は柑奈のことが心配だな」







だってあいつに、昴瑠に会わなくちゃいけなくなるから。

健全な生徒なら特に接しなくてもいいのに、って頭を抱えた。

平日は毎日といっていいほどにあいつと顔を合わせていた一種の習慣のようなものが、今はこんなにも私を苦しめてくる。

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